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豊科あめ市
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中信平の冬の風物詩、あめ市。それぞれの町の商い初めを祝い、いろいろな形で祭りが行われる。
その起源は、戦国時代。上杉謙信が武田信玄の支配下にあった信州に向けて贈った塩が松本に到着したのが1569年の1月11日。これを記念して江戸時代から塩市が始まり、それが飴市へと変化していったのだそうだ。

現在、あめ市が年始に行われているのは、松本、豊科、穂高、池田、大町などで、何故か北に上がるほど(日本海に近くなるほど)その時期が遅いという逆転現象が起きている。上杉からの塩は糸魚川経由で信州へ送り込まれたわけで、当然松本に着くまでの間に大町、池田、穂高、豊科の順に通っていくはずなのに。
つまり、安曇野、大町は戦国時代当時から松本の絶大なる支配下にあったわけで、松本城下から周辺部へと広がっていく中、豊科までは数日遅れ、穂高や池田では2月の節分前後、大町では1ヶ月遅れて今の建国記念の日のあたりという広がり方をしたという解釈ですべて説明がつきそうだ。
このあたりの話は郷土史家の先生にお任せすることにして、僕は今現在のあめ市を見て伝えることにとどめておこう。

去年は松本あめ市を少しだけ眺めてみた。城下町の商都松本、今も昔も活気のあふれる街なのは確かだけど、今の松本あめ市はアミューズメント、あるいはショー的な要素の強いお祭りと化してしまっている。アルプちゃんも出てくれば、戦国武将たちのパレードまであるし、上杉の義塩伝説にちなんで塩に関するイベントもあったりもする。
だから観光客にも大いにウケるわけで。

その点、1日遅れで開かれる豊科あめ市は、安曇野市の無形文化財の「福俵引き」をはじめ、昔ながらの姿を残した、海からの塩と大地の恵みである米とに感謝するお祭りである分、僕は大きく惹かれるのだ。

今年の豊科あめ市は1月11日の宵祭りから12日の福俵引き、昼祭りというスケジュールで行われた。宵祭りは氷点下5度を下回る寒さの中、小さいながらも勇壮な神輿が町を練り歩く。
市では縁起物としてだるまや飴が売られるほか、各商店では趣向を凝らした売り方をしている。「時間売り」というのが名物だそうだけど、どういう売り方なのかなぁ。いわゆる「タイムセール」?

あめ市のクライマックス「福俵引き」は、前年に慶事のあった商家に米が一杯に入った福俵を奉納することで、五穀豊穣と商売繁盛を祈願するもの。
今年は信州のベルギービール・バーの草分け的存在「ハローズ・バー」(昼は「麺元やまざき」として営業)がその福俵のひとつの奉納先になっていて、ビール好きとしてはぜひマスターの山崎さんの勇姿を見てみたいと思ったのだ。

11日の宵、僕はハローズ・バーを訪ねて、今シーズンのクリスマスビールのひとつ、メーレノエルを楽しみながら山崎さんにあめ市の話を少し聴く。
福俵を奉納されるということは目出度いことではあるけれど、かなりの金額を持ち出してまでやらなければいけないことで、この不景気の中、自ら志願してやるような人はいないらしい。
それでも地域の絆と伝統は守らなければいけないと、「去年、たくさんの酒飲みが集まるこの店を新築したからには仕方ないなぁ」という本音を交えながら語ってくれた。
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実は今回が山崎さんとは初対面。こういう誠実な人が安曇野、いや信州全体のビールの伝道師として活躍してくれていることが素直に嬉しかった。だからこれからもしっかり応援していこう。
なかなか飲みには行けないけれど、たまにはお昼も食べに行こう。逆にいつか僕が安曇野ブランドのビールを醸造できるようになったときには応援してもらえるだろう。こんな風に将来へとつながっていけたら嬉しいものだ。
ちなみにお昼は中華麺の「油そば」が美味。東京のラーメン屋の油そばとは違うが、ここから僕が自分の料理にインスパイアされたものがあるのも事実。先日のベジタリアン・タコライスもそう。ぜひ豊科でお昼を食べる機会には隣の工場で作りたての麺を食べられる、安くてうまい「麺元やまざき」で。
もちろん夜は「ハローズ・バー」でベルギーをはじめ世界のビール、そしてビールベースのカクテルを楽しんで欲しい。


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夜のあめ市は、新田と成相の2つの地区それぞれの公民館前に設けられた拝殿に明かりが灯され、横では神輿の担ぎ手たちが暖を取れるようにとドラム缶に焚き火が焚かれていて、これで雪でも降ろうものなら圧倒的に幻想的な風景になるだろう。
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この夜も雪こそ降っていないものの、満月の夜。街灯の明るい豊科の市街地で月明かりの影響はよくわからないけれど、ちょっと1本路地に入るとその月明かりがよき道しるべになる。
そんな月明かりの下を神輿が通り過ぎていく。威勢のよい笛の音を余韻に残しながら。


明けて1月12日。
クライマックスの福俵引きを見に行く。
商工会が発表したタイムスケジュールによると、成相区の俵納めは10時50分とのこと。時間を合わせて訪ねてみると、隣の空き地には既に終了後の振舞いの料理が用意され、ハローズ・バー(麺元やまざき)の店の前の駐車場には祭壇ができてご祝儀の1升瓶が所狭しと並んでいた。
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東の路地の方から笛の音と掛け声が聞こえてくるので駆けつけてみると、なんだか酒の臭いがぷんぷん。そう、年に一度の大切な祭り、それも寒の内の凍みる中ということで、朝から日本酒を飲みながら若い衆を中心にした30人以上の引き手が重さ60kgの福俵を引き合う。女衆も1升瓶片手に引き手に酒を振る舞ったり、景気づけに引き手の頭に掛けて回ったり。
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ギャラリーよりも参加する人の方がはるかに多い、小さな商人町の小さなお祭りに素直に感動。
昨夜、山崎さんに「よかったら参加してみて」と誘われたのだけど、さすがに成相の人間ではないので僕は眺めるだけにしておいた。もっと前から山崎さんと知り合っていたらわからなかったけど。

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最後は子どもたちも引き手に加わり、一気にハローズ・バーの前に福俵が引き寄せられる。そして、俵の上に人間ピラミッドが作られ、一番上には今回俵納めされる家の主が立つというのがならわしで、もちろん山崎さんがそこに立つ。祭りの一番の盛り上がり。

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この後、神主さんが俵納めの神事を行い、商売繁盛と五穀豊穣を祈願する。
時間の都合でここまでしか僕は見られなかったけど、この後、振舞いがあって、豊科の商店街の一年が始まっていく。

さあ、次は穂高のあめ市。今年はいつなんだろう? さらには池田や大町のあめ市も可能なら見に行きたいと思った。
中信平の一年はこのあめ市に始まるのだと、実際に豊科あめ市の小さいながらも強い熱気に触れてみてしっかりと実感できたのが何よりも大きな収穫だった。

そう、僕はこれからもこの地で生きていくのだ。
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【2009/01/13 09:37】 | 安曇野を歩く | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
こちらも雪が降りました!でも道路には積もる事は無く、タイヤを替えて無い人達でも安心してお出かけしてました(私もです・・)あめ市は松本にしか無いお祭りだと思っていたんですけど、他の所でもあるのですね~色んな所のあめ市はそれぞれの面白さがありそうで見に行ってみたいって思いました。昔ながらのお祭りっていいですよね。やはり地域の人達のつながりが強い所ほど盛り上がるんでしょうね。いいですねお祭りって。
【2009/01/13 10:16】 URL | もっちゃん #-[ 編集] | page top↑
>もっちゃん
お返事遅くなってごめんなさい。
安曇野のあめ市、あまり知られていませんがしっかりまだ生きてるんですよ。今年は堀金でも60年ぶりに復活したとか・・・とは言っても市が出たのではなくて神事だけだそうで、翌日に現地に行ってもわかりませんでしたが。
やっぱりお祭りは本来その地独自のもので、ギャラリーよりも参加者が多くて当然なのだと今回の「福俵引き」を見て思いました。
ぜひ来年は1月の成人の日の連休にお越しください。松本と豊科、見比べるだけでも面白いかも。
【2009/01/15 22:20】 URL | terra-sun #-[ 編集] | page top↑
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