今年で5年目を迎え、安曇野の秋の恒例行事としてすっかり定着した感のある「安曇野スタイル」。
10月31日にスタートの声を聞き、100ヶ所を超えるギャラリー、工房、その他各種施設が一斉に「秋の文化祭」のごとくお客様を迎え入れて始まった。
僕は、当初自転車での「道案内ツアー」をやろうと考えていたのだけど、諸々の事情により今年は断念。その代わり、時間があればボランティアで道案内をしようかと計画する中、たとえそんな道案内ができなかったとしても1日最低1ヶ所はまだ面識のない作家さんの工房を訪ねてみようと思っていた。
初日、10月31日は、さまざまな月末の雑事に追われて結局どこも訪ねられず。
そして、11月1日。なんとか昼の中抜け時間にひとりの作家さんの工房を訪ねる。
10年来の飲み仲間、温泉仲間、そしてタイガース仲間のMさんがお母様と安曇野を訪ねてこられたので、お母様の喜びそうな場所として選んだ工房は・・・
「Glass Studio Cadenza」
穂高有明の宮城地区にある小さな工房で、バーナーワークによるガラス工芸作品を作り続けている横尾弘美さん。アートヒルズ出身の彼女がここに工房を構えてから5年ほどが経っている。ということは、安曇野スタイルの歴史そのものがCadenzaの歴史でもあるわけで、そういう面でも非常に興味深い工房。
安曇野には10ヶ所以上のガラス工房があるが、その半数以上は吹きガラス、残りも同じバーナーワークではあるけれどもトンボ玉によるアクセサリーづくりが主流という世界で、純粋にガスバーナーで色ガラスを溶いて色を合わせ、新たな命を吹き込む仕事をしているのは横尾さんただ一人だ。
ご本人いわく「変わり者なんです」とのことだけど、創り上げる作品はごくごく普遍的なモチーフのものが中心。
いかにも小さな女の子、そして大人になった女の子たちが好きそうなキラキラ光る透明なアクセサリーはもちろん、カイワレ大根、野の草、カエル、そして何かの生き物のような躍動感あふれる作品たちに、そんな女の子が好きな男の子だった僕も思わず顔がにやけてくる。
この独特の世界にはきっとかなり熱いファンがいると直感したとおり、横尾さんの代表的な作品を欠かさず収集している人もいるそうだ。アートヒルズ時代からのファンには、「震災で全部壊れてしまったから」と新たに集めなおしている神戸在住の方もいるそうだ。
ガラスでもこんな表現ができるんだとびっくりするかもしれないけれど、キラキラ光る透明なものが好きな人にはぜひ訪ねて欲しい工房だ。
Glass Studio Cadenza (横尾弘美さん)
安曇野市穂高有明8972-4
Tel&Fax : 0263-83-3323
※安曇野スタイル期間中(10/31~11/3)は工房公開。
それ以外の時期は、電話でお問い合わせのうえ、お訪ねください。
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